突き抜け忍冬

shirasagikara2006-01-18

忍冬(にんどう)が、ことし初めて赤い花をつけた。この蔓草は、蔓(つる)のさきに丸い葉をつけ、その葉のまん中をつき抜けてまた蔓が伸びる。蔓のさきに赤い数本の細身の花弁をつけ、その花弁の先が開くと黄色い雄蕊(おしべ)が見える。
古代エジプトからギリシア、ローマをへて西域を通り、中国、朝鮮、日本に伝わった忍冬は、法隆寺の玉虫の厨子を始め、古くから「唐草模様」の装飾に使われた。
茶花にもなるこの花は強い花だ。忍冬の名のとおり、冬を凌いで花をつける。しかも葉を貫いて蔓を伸ばす。
キリスト信仰も、のどかな春の日のみではない。迫害の日、激痛の病い、家庭の崩壊、もうだめという厳冬を耐え忍んだとき、忍冬が葉を突きぬいて蔓を伸ばすように、その信仰は先にするりと伸びる。「殉教の血が信仰の花を咲かせた」というが、忍冬も赤い花弁をたくさんつけて人々の喜びとなる。
「試練を耐え忍ぶ人は幸いです」(ヤコブ1・12)
(写真の忍冬は昨年6月撮影)