あと引く味・ねじり蒟蒻

時どき、ねじり蒟蒻(こんにゃく)をつくる。これがめっぽう味がいいと家族で評判。料亭に出せるデパ地下で売れるとおだてられ、またしてもつくらされる。
こんにゃくは、ふつう長いほうが15㌢。それを3等分。それを横に倒しまた3等分。そのはしから10本に切り分ける。これで90本のこんにゃくができる。その真ん中に切り目を少し入れる。あとは頭を孔に通しひっくり返すだけ。
それを油を引いたフライパンで、ニンニク、醤油、砂糖、塩、ダシの素、酒で炒める。赤唐辛子は小2本。種をきれいに抜いてみじん切りにして放り込む。醤油、酒の液体の中で、けっこう長く炒める。ねじっただけ味がしみ曲線が輝く。
出来上がれば、歯応えのある「乙な味」、「あと引く味」だ。「乙な」とは東洋音楽で「乙の音」に渋みがあることが起源だが、たしかにピリ辛で乙な大人の味。それに日本料理の黄緑白赤にまじり、黒味のこんにゃくは添え物に引き立つ。
この「柔らかさ」と「歯ごたえ」と「あと引く味」が福音と重なる。まことのキリストの福音は柔らかくて、歯ごたえがあって、また聞かせてとあと引く味だ。ふにゃふにゃした聖書の話もある。まあ、ひとひねり、ねじって、こんにゃくでも食べて考えてチョ。
「味のない物を塩もつけずに食べられようか」(ヨブ6・6)