わが母・104歳秋の報告

shirasagikara2006-11-10

「秋薔薇(そうび)三つ四つ五つ咲く庭や百四の母の寝息のかなた」
104歳の母は、この夏一時入院してから寝たきりになった。この一年でずいぶん衰えた。ことしの6月までは、ほぼ毎日、墨をすって半紙に父の歌集から選んだ短歌を書き、母にかざすと、居間のソファに寝ながら声を出して読んだ。
思えば、1年前の秋はまだ元気だった。自分の寝室を内側から鍵をかけ、首から提げたブザーを鳴らした。妹や家内がかけつけても開けない。合鍵で入ると「犯人を捕まえたから、逃がさんように。警察にはもう電話した」。オヨヨ
去年の12月、天国へ行った夢を見ている。だれに会ったかと聞くと、自分の母、伯母、主人の母という。おじいちゃんはと聞くと「ちらっと見た」。オヨヨ
茶道の妄想は今も見る。先日も「玄々斎(裏千家11代宗室)の軸が破れた。たいへん」と言ったりする。
しかし毎日、土日も、介護士が朝晩1時間ほど来てくださる。週3回午後に看護師が来宅、週1回入浴サービスの車が来て、三人がかりで入浴。医者は月2回の来診。
自宅で介護されて母は幸せ。日曜日朝、母、家内と私の三人で礼拝。賛美歌や祈りのあと、口の中で舌が動き「アーメン」と言える。長寿104歳秋の報告。
「わたしは死ぬことなく生き永らえて、主のみわざを物語るであろう」(詩篇118・17)<写真は11月6日、聖餐のパンを口にふくむところ>