85歳の朝の10分運動

shirasagikara2010-10-18

右にも左にも、友人が体の不調を訴えるなか、「85歳の朝の10分運動」をご披露するのはちと気が引けるし、仙崖和尚の「老人六歌仙」にもあるとおり「(老人の)達者自慢に人はいやがる」ことも承知の上で、30年来の習慣を自身の85歳の記録のために記す。
朝食まえ畳に腰をおろし、右足裏を左足のももに、左足裏を右ももに乗せる。座禅の形だ。膝がしらをつかみ「主の祈り」をギリシア語で祈る。ついで目の高さで両手のひらを力いっぱい押してイエスの「八つの幸い」の始めの4つを、こんどは両指を引っ張りながらあとの4つをギリシア語で唱える。座禅を解いて両足裏をあわせ、足首をつかんで引き寄せ上体を前に倒す。以前はオデコを畳に打ちつけたが、いまはアゴを50回つける。唇は内に曲げる。足のかかとがヘソを突く。ついで足をのばしボートを漕ぐしぐさを50回。ここまでで約5分。
つぎに正座して開いた両足のあいだに腰をおろす。そして、仰向けにうしろへ倒れる(写真)。そこで第1コリント13章の「愛の賛歌」をギリシア語でどなる。それが2分ほど。そのさい手振りも加える。「さわがしい(アララゾン)」では、人さし指で両耳に栓をする。「顔と顔(プロソーポン プロス プロソーポン)」では、自分の顔と相手の顔は空でたたく、といった具合。
そこから起き上がって、両手をつき、足をのばして、腕立て伏せを50回、気分がいいと60回。腕立て伏せは「きょう何回」と決心すると、それだけできる。ことし1月6日、満85歳の誕生日に「決心して」85回できた。ついで床の間の端に立つ。畳の上12cmだ。上体を前に倒すと、10回で中指が畳につく。20回で3本、30回で4本、40回から50回は親指まで5本とも畳を打つ。最後は柱の角を背にして20cmほど離れて立ち、ふり向きざまに遠いほうの柱の面をすばやく両手で打つ。これも50回、ぱん、ぱん、たたく。これで10分。こんなことを30年もやっている。旅先でも。
ところが85歳のじいさん。仙崖和尚の言うとおり「ひげ白くなる、あしハよろつく 歯ハ抜ける 耳ハきこへす 目ハうとくなる」。首から上と、特に「足が、あかんのや」。家内は「あなた、そんなことやってて、ころっと死ぬかもよ」「いや、ぴんぴんころり、それこそ主の恵み」。
「わたしは死ぬことなく、生きながらえて、主のみわざを物語るであろう」(詩篇118・17)