われ穏やかに老いゆくらしも

shirasagikara2012-11-19

「腕の皺さざなみ打ちてひろがればわれ穏やかに老いゆくらしも」(87歳10ヵ月)
朝の目覚めはさわやかで/うんと伸びして起き上がる/洗面の水ここちよい/登校の孫とハイタッチ/朝の運動曲げに曲げ/足裏腹乗せ腹筋50回/正座後倒頭上拍手40回/腕立伏せは60回/腕の細しわまたふえた/食前の賛美歌選びはわがつとめ/聖句読むのは妻の役/祈りは友家族東北世界/朝食のパンがおいしくて/妻の声音の響きよく/新聞読んでテレビ見て/ドジョウが出て来てさあたいへん/ドジョウ総理のドスが利き/坊ちゃん総裁カナきり声/師走に選挙だ騒がしい/白いサザンカ散り敷いて/庭の紅葉すべて落ち/溜まった落葉を掃き清む。
手なれた聖書のきょうの章/パウロの手紙にうなずいて/もらったラ・フランス写生して/水彩絵具が乾く間に/パソコン起してメール読み/返信あちこち打ち終えて/手紙が届いて喜んで/返事を書いて「つっかけ」で/2軒となりのポストまで/銀杏の黄葉まだまだだ/青空一点の雲もない/水彩写生にまた加筆/読みかけの本を取り出して/感心したとこ線を引き/疑問に思えば?/秋の日差しの窓の内/「胡瓜刻んで」の妻の声/おれの出番と腕まくり/胡瓜二本を700に/切り分け終われば妻感嘆/何をさせてもお上手ね/褒められれば悪い気しない。
食料買出しはわが仕事/近くのスーパーへひと走り/自転車こいで坂くだり/妻の依頼紙手に持って/あれこれ選んで買いすぎて/重い荷物を荷台に載せ/二段変速で駆け上がる/「上手な買い物ほしかった」/妻喜べば満足だ/椅子に座って茶を飲んで/疲れて昼寝1時間/頭すっきり机に向かい/心静めて墨磨って/百人一首の本を見て/折手本開き筆を執り/白露に風の吹きしく秋の夜は/つらぬきとめぬ玉ぞ散りける/夜に露は散るものか/「夕刊です」の妻の声/「明後日解散」の大活字/はや西の空暮れなずむ/秋の夜長はありがたい。
主よ、何という恵み、何という祝福。知らずに犯した罪をもお許しください。
「穏やかな心は身の命である、しかし興奮は骨を腐らせる」(箴言14・30 口語訳) <写真は庭の鈴蘭の実>