サザエさんと酒枝義旗先生

shirasagikara2006-10-22

マンガ「サザエさん」は、1974年に朝日新聞の連載が終わってからすでに32年、作者の長谷川町子さんが1992年になくなって14年もたつのに、いっこう人気が衰えない。
テレビの「アニメ・サザエさん」は毎週視聴率上位に入り、毎土曜日、朝日新聞は「サザエさんをさがして」の特集を組む。なぜそんなに魅力があるのか。庶民の暮らしにはりつき、人生を見る奥行きが違う。哲学がある。
酒枝義旗先生は「サザエさん」の大ファンで、本が出るたび数十冊買い込み、奥様に叱られるので書斎の窓の外に吊るし、あとで引き上げて訪問客に「君、1冊どうです」と配られた。
町子さんは、早稲田の先生が「サザエさん」をいつも大量に買うことを知り、自宅に招いた。その後、あの愉快な先生と、笑いの作者・町子さんとの交わりは深まり、町子さんは先生を「慈父」と呼んだ(酒枝義旗追悼文集)。
矢内原忠雄先生なきあと、あまり集会にも連ならなかった町子さんを「よくない」とさとし、町子さんは酒枝先生の鷺宮の「待晨会堂」へ、世田谷の桜新町からハイヤーで妹さまと出席。わたしが伝道者になったとき、酒枝先生は待晨集会の日曜礼拝で話をさせてくださったが、そのときも町子さん姉妹は、一番前のオルガンの前の席で聞いていられた。
酒枝先生と町子さん。キリストさまが奥で光っている。だから二人とも今も輝く。
「神の子として世にあって星のように輝き、命の言葉をしっかり保つでしょう」(フィリピ2・15)