もし中国軍が日本に侵攻したら

shirasagikara2013-04-29

もし中国軍が日本に侵攻して沖縄・九州を占領。傀儡(かいらい)政権を樹立して日本から切り離し、さらに広島、大阪、名古屋、東京を始め大都市を制圧すれば、日本政府は北海道に本拠を移し反撃に転じるでしょう。抵抗する日本の北陸や東北以北は中国の激しい空爆を受け多くの市民が死傷します。この血みどろの日本防衛戦争が一五年もつづけば、日本人は「中国は悪い」と心に刻むでしょう。
そういうことを日本は中国でしたのです。中国の東北部を占領して中国から切り離し、満州国という傀儡政権をつくりました。首都の南京を始め、上海、北京、広州や、かなり奥地の漢口、太原まで武力制圧して、数え切れないほど中国人を殺したのです(中国側の公式発表は一〇〇〇万人)。国民党の蒋介石重慶に、共産党毛沢東は延安に本拠を移し、一五年間徹底抗戦しましたが、日本軍はそこも無差別爆撃をしました。
安倍内閣の閣僚や国会議員一六八人が、この春の靖国神社例大祭に参拝し「お国のため死んだ英霊を弔って何が悪い」とうそぶきますが、靖国に祀られた日本兵のほとんどは「お国のための日本防衛戦争」ではなく「遠征侵略軍」の戦死者です。
中国側から見れば、靖国神社は「自分たちを殺しに来て殺された者」を祀る悪のシンボルです。しかも戦死でないA級戦犯・最高戦争犯罪人一二人も合祀したため、天皇ですら以後靖国参拝は控えているのに、なんたる無神経と怒るのです。
ひとからひどい仕打ちを受けると、すごく傷つきます。「ゆるして」と言われて、もし「ゆるす」と言ったとしても傷痕は残ります。すると加害者は月日とともに加害の事実すら忘れ、奇妙なことに、加害者がすっきりして被害者が長く苦しむのです。まして「ゆるして」と言わない場合はなおのこと。これが中国人の対日深層感情です。 閣僚や国会議員の靖国参拝は、中国人の古傷をいたぶります。中曽根総理も小泉総理も靖国参拝で失敗しました。安倍内閣も外交・経済で苦しむでしょう。他国への侵略の歴史を甘く見てはならないのです。 「主の祈り」の「われらに罪を犯す者をわれらがゆるすごとく」(マタイ六章)に、わたしは長く苦しみました。ゆるしながらゆるせない自分が残るからです。個人でもそうです。まして国家間ならなおさらのこと。「塵に口をつけよ、望みが見出せるかも知れない」(哀歌3・29)
<写真は庭の木香バラ、赤は忍冬>