2010-01-01から1年間の記事一覧

「笑点」と「サザエさん」

テレビの視聴率週間ランキングで、日本テレビの「笑点」が1位の21.8%、フジテレビの「サザエさん」が2位の21.3%になった(5月17日〜23日・朝日新聞)。これまでも、それぞれが1位や2位になったことはあるが、ならんで1、2位を占めたのはめずらしい。このふ…

二度、沖縄を切り捨てた日本

「それはないだろう、鳩山総理!」と言いたいのは、沖縄の普天間基地問題だ。「5月末までに腹案がある」などと言ったあげくの県内移設。しかも鹿児島県あげての徳之島移設反対。 1975年、初めて沖縄をたずねたとき、初対面の県庁の役人から「あなたは鹿児島…

自転車とキリスト信仰

むかし、白洋舎を創立された五十嵐健治様の、茅ヶ崎のご自宅にまねかれたとき、「わたしは80歳まで自転車に乗っていました」と言われ、びっくりした。そのころ34〜5歳だったわたしは、「うへ〜80歳まで!」と驚いたのに、いま85歳にもなって、自転車で走りま…

国土の四隅に小穴をあける北朝鮮

北朝鮮のキム・ジョンイル(金正日)総書記が五月三日〜七日、四年ぶりに中国を訪問した。世界で中国しかたよれる国がないからだ。 一九九〇年以降、ソ連をはじめ東欧社会主義国が崩壊しその援助がとだえた。一九九五年には国土の七五%が自然災害をうけ、一…

ほめ上手

前週のブログで、「一日三回、奥さんに『おまえはかわいい』と声をかけると、その奥さんはきれいになる」と書いた。ほめられると、にっこり笑う。笑顔になるから、やさしくみえる。美人の条件は「笑顔」と「背すじがしゃんとした姿勢」と「目的をもつ生き生…

「以心伝心」でなく

「以心伝心」(いしんでんしん)ということばがある。正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)にも出てくる禅宗用語。真理は口では伝えられず、心から心につたわる意味だ。さらに転じて、無言のうちに心が互いに通じあう意味になった。たしかに仲のよい家族や友人同…

ペリカン書房の品川力さんとわたし

品川さんと初めて会ったのは50年まえの1960年だ。場所は三宅坂の国立国会図書館仮庁舎。用件は、わたしが西村関一という牧師の国会議員から、内村鑑三の非戦論文献を求められ、オカノユキオ君のキリスト教図書出版社の出版案内に、毎号、品川さんが「内村鑑…

ひきこもり教会と家庭集会

春だ。いっせいに落葉樹の若葉がのびる。土からは、思わぬ先まで根を伸ばした草花が、勢いよくあたまをもたげる。そうだ、いのちはおしとどめられない。子どもが元気よく動きまわるのは、いのちにあふれているからだ。(写真はクリスマス・ローズ) キリスト信…

日本の七奪

ことし2010年は、1910年の日本の「韓国併合」からちょうど100年になる、500年つづいた朝鮮王朝を滅ぼし、朝鮮半島を日本の植民地にしたのだ。しかし、それ以前に日本は「韓国軍隊を解散」させ、「外交権を剥奪」し、「財政をおさえた」うえでの併合であった…

人間様が、鴨の鴨にされる

久しぶりに日光へ行った。東京のわが家の庭には、源平しだれ桃が八分咲きだというのに、いろは坂の上は銀世界。雪景色の華厳の滝も初めて見た。ふもとの東照宮でも粉雪が舞った。 たずねた奥日光の雪はいっそう深く、湯の湖のほとりに立つと、膝までもはまり…

「気にしない能力」の人を「気にしない能力」

むかし「気にならぬ能力」という一文を書いた(「ほっとしなけりゃ福音じゃない」1995年 所収)。人にはさまざまな能力があり、部屋の散らかりが「気になる能力」もあれば、「気にならぬ能力」もあると。ふつう、きちんと整理する人は「きれい好き」とほめら…

十二使徒群像「六大陸の魚」

わたしの十二使徒群像を後ろから見ると、ペトロとその兄弟アンデレが左右に並び立ち、その左にユダがうずくまる。そして右下に、フィリポが片肌脱いで「ΙΧΘΥΣ(イクトウス)の三角旗」を掲げ持つ構図だ。その旗がペトロとアンデレの後ろにひるがえる。 はじ…

十二使徒群像「ユダの救い」

十二使徒の一人ユダは「裏切り者」の烙印(らくいん)を捺(お)されて恥辱(ちじょく)にまみれる。しかし福音書本文は、彼をどうしるしているか。 ユダも、イエスが徹夜の祈りのすえ(ルカ6章)「これと思う十二人」(マルコ3章)に選ばれた一人だ。しかし…

十二使徒群像「大先輩ペトロ」

十二使徒の棟梁はシモン・ペトロ。「共観福音書」と「使徒言行録」の4つの「弟子一覧表」で、すべてトップはペトロ、ビリはユダだ。わたしの群像でも、上段中央にすえた。右手に黄金の「天国の鍵」を握らせ、左手に大きな玉を持たせた。そして両足はブーツを…

十二使徒群像「下段の五人衆」

わたしの十二使徒群像は、横からみると三段の滝のように彫った。下段に立つ五人衆は、左からトマス、バルトロマイ、小ヤコブ、熱心党のシモン、そしてタダイだ。 トマスもヨハネ福音書で活躍する。11章で、イエスとともに死を決意するが、悲壮な殉教型の死は…

十二使徒群像「旗手・フィリポ」

十二使徒群像で、フィリポは、いちばんのイケメンに彫れた(写真)。彼は「ΙΧΘΥΣ(イクトウス)の三角旗」の旗手だ。むかし日本陸軍にも、歩兵、騎兵連隊には連隊旗手がいた。天皇から直接さずかる連隊旗をささげ持つ旗手の少尉は、軍の華、名誉の象徴だった…

十二使徒群像「ΙΧΘΥΣ(イクトウス)の三角旗」

十二使徒を彫ったとき、背面をどうするかにも苦心した。なにしろ高さ80センチ、直径35センチの桜材だ。12人は平均30センチの身長にし、上段のペトロやアンデレは高い大樹の上に立たせたから、背後に大きな壁面ができる。始めはそこに森のような木々の繁る形…

十二使徒群像「ヤコブとヨハネはイエスの従兄弟?」

わたしの十二使徒群像では、上段中央にペトロが立ち、向かって左にアンデレ、右にユダを従える。中段真ん中にヤコブとヨハネの兄弟が並び立ち、左にフィリポ、右にマタイが控える。さらに下段には5人が上を支える。つまりペトロ、ヤコブ、ヨハネの三人が中心…

十二使徒群像「無言のマタイ」

十二使徒を彫った6年のあいだ、ずいぶん使徒たちと入魂(じっこん)になった。時には群像を抱え込んで彫るからだ。わたしの群像ではマタイに福音書の巻物を抱えさせた。(写真) その十二人のうち、聖書で無言なのは熱心党のシモン、アルファイの子ヤコブ(小…

十二使徒群像「アンデレ」

わたしの十二使徒群像は上中下の3段にわかれる。上段はペトロとアンデレが並び立ち、ユダが恥ずかしげにうずくまる構図だ。 アンデレは初め、荒野に叫ぶバプテスマのヨハネの弟子であったが、ヨハネがイエスを指差し「見よ、神の子羊」と叫ぶのを聞いてすぐ…

十二使徒群像「決意」

思えば長い道のりだった。いまから18年前の1992年1月6日、ちょうど67歳の誕生日に、わたしはニューヨークのメトロポリタン美術館をひとりたずね、そこで見た十二使徒群像に衝撃をうけた。ほかの部屋を回っても、またそこへ帰っては見つめた。それは高さ30セ…

イエスさまへの年賀状

イエスさま。あけましておめでとうございます。世界中から、あなたさまへ年賀状が届くでしょうが、日本の片すみから、わたしも1枚お送りします。 なにがめでたいといっても、あなたが天におられ、わたしが地で生かされている。こんなありがたいことはありま…