2008-01-01から1年間の記事一覧

プニプニのつらの皮

5月30日(金)東京・駒場の東京大学生産技術研究所の公開日に、尾上守夫先生が中を案内してくださった。この研究所が六本木にあったころ(その跡地に新国立美術館が建設)尾上先生はそこの研究所長だった。 まず新・生産技研の長大な建物に驚く。直線200メー…

ことばを売るお店屋さん

ことばを売るお店があると聞きました 感謝のことばは赤い壺/喜びのことばは青い壺/さんびのことばは緑の壺 黄色のつぼ/茶色のつぼ/紫のつぼ/紺色のつぼ 黒いつぼには何の言葉が/つまっているのでしょうか 「お店屋さん/緑の壺を下さいな」 主よ/みたまによっ…

「1980年5月・光州事件」の思い出

映画「光州 5・18」(キム・ジフン監督)が公開中だ。これは1980年5月の「光州事件」を画いたもの。光州事件は韓国軍が韓国市民を虐殺した大事件だが、全斗煥の軍事独裁時代に起こったため、ながく韓国内でも封印されていた。 わたしが光州市に入ったのは事…

母の日 おかあさんと いっしょ

むかし おかあさんと いっしょに 汽車に乗った すぐ乗り物に酔うわたしに おかあさんは 窓のそとの たんぼに立つ「仁丹」の広告を 「いくつ あ〜るか」「それ ひと〜つ」「ふた〜つ」「ほら みっつ」 わたしも 窓にしがみつき 「なな〜つ」「やっつ」 わたし…

子どもの日 うれしい言葉で作文を

きょうは「子どもの日」。その子どもの小中学生の間で、「きもい」「死ね」といった、ケータイ裏メールの中傷書き込みが流行し、先月千葉県で中学生同士の殺人事件までおきた。これは過激なマンガや、劇画や、ゲームの影響でもある。 そこで思うのだが「うざ…

ぶざまな聖火リレー、中国の誤算

北京オリンピックの聖火リレーが、日本でもおとといの土曜日、長野市街を走った。3000人の警官に守られたぶざまなリレーだった。まさか聖火リレーで、世界中に「チベット人権問題」が撒き散らされようとは、思っても見ない中国政府の誤算だ。 チベット民族の…

人はそれほど他人に関心を持たない

1週間まえの朝、鼻の下の髭は残して、思い切ってあご鬚を剃り落とした。ところが、だれも気づかない。朝食で顔を合わせた家内も気づかない。そのあと、妹や友人に会っても、なんの反応もない。人は私の顔の変化など気にも留めない。 じつは、それを逆手に取…

選んだ庭木、イエスの選び

庭に植えた草木が育つのを見るのは楽しみだ。 いま盛りの「紫木蓮」は、長男の小学入学記念植樹だ。もう45年も前。並び立つ「源平枝垂れ桃」は盛りをすぎたがまだ見事。隣家のベランダ隠しに植えた「譲り葉」は、庭いちばんの高木となり、萌黄色の新芽が伸び…

「洗礼を受けたい」。発芽の瞬間

東京の桜は、まるで雪のように散り敷いた。かわって欅並木の大樹の梢が萌黄色に染まる。負けるものかと、いっせいに繚乱の春の花々がひらく。雑草まで一所懸命だ。 12月、1月、2月と冬のあいだ、ゆっくり休んだ土の中から、押し出されるように力が湧き出る。…

「後期高齢者」「高貴高齢者」

いやあ、参ったなあ。だれが考えたか「後期高齢者」という呼び名。先日「後期高齢者医療被保険者証」が送られてきた。あす、2008年4月1日から発効するという。 わが家では、むかしの軍隊の称号で、70歳台は少将。80歳台は中将。90歳台は大将。100歳になると…

携帯電話依存症

東京の中央線で、6人がけの座席のうち、少なくて1人、多くて4、5人が携帯を見ている。見ながら親指で操っている。座席に座るなり携帯を開く。もう携帯なしに生きられないほどだ。高校生など携帯メールはエンピツがわりと聞いた。 83歳のわたしは携帯は使わな…

失敗だらけの十二使徒群像

2003年5月以来、もう5年も十二使徒群像を彫っている。遅々として進まないのは、彫刻はずぶの素人のうえ、ほかの仕事もかかえ、それによく失敗するからだ。2008年1月、ことしこそ群像完成と意気ごんだが、頼まれもしない「インターネット聖書ばなし」シリーズ…

東京大空襲と伊東猛夫君

むかし3月10日は日本の「陸軍記念日」。1905年・明治38年、日露戦争で日本軍がロシア軍を撃破、壊滅させ、奉天(瀋陽)に入城した記念日だ。 1945年3月10日。300機のB29爆撃機が、この陸軍記念日に東京の下町を襲い、32万発の焼夷弾で無差別爆撃をし、10万…

茶筅雛(ちゃせんびな)

きょうは「桃の節句」。わが家では玄関に茶筅の内裏雛を飾る。父が裏千家の茶道教師で、どこかの茶道具売り立てで手に入れたものだ。 茶筅は、10センチほどの竹筒の半分を、細かく穂のように割き、先を内に曲げて、抹茶を泡立たせる。繊細で芸術品のような茶…

雅子妃を守る皇太子はあっぱれ

1960年2月23日生まれの徳仁(なるひと)皇太子は、一昨日48歳になられた。 「皇太子に生まれるのは、まったく不運なことだ」とおどけて語ったのは、初代総理の伊藤博文だ(ベルツの日記・1902年)。古いしきたりに、こってり塗り固められた天皇制の枠の中で…

東京マラソン、人生マラソン

きのうの2月17日(日)の朝、32000人が参加する東京マラソンの号砲が鳴った。 先頭集団の選手たちは、42キロを2時間あまりで駆け抜けたが、ほとんどのランナーは自分のペースで、なかにはふん装までして、楽しく走り、7時間でゴール締め切りのころは、ほとん…

ニッチ・すきま伝道

わたしは「白鷺えくれ舎」(エクレシアはギリシア語で教会)と名乗り、いちおう表札には掲げて福音を伝道してきましたが、会堂をもち、看板を出す、いわゆる正式の教会ではありません。いわばニッチ教会です。英語のニッチ・Niche は、壁に四角い穴をつくり…

糟谷さんの「白血球と人格」

糟谷伊佐久さんのことを先週書いた。糟谷さんの父君は海軍軍医。両親とも篤信のキリスト者。糟谷さんが医者を志し結核専門医を目指したのは、29歳で結核のため天に召された母上の仇討ちの気持ちもあったという。 糟谷さんが聖路加国際病院の内科医だった1938…

糟谷伊佐久さん

古い書類を処分していたら、糟谷伊佐久さんの詩集が出てきた。「けふのうた」(文庫判・23頁・私家版・非売品・1940年刊)。糟谷さん36歳の詩だ。 「われに来たれ/汝疲れまた重荷を負ふ者/われは柔和に心卑ければ/わが軛負ひて学べ/病床にある友よ/主の下僕…

ナンシーのサプライズ・パーティ

ナンシーの結婚が決まり、サプライズ・パーティを計画。もちろん本人に日時は教えない。しかし本人もいつあるかと期待する。米国ニュージャーシー州の田舎町でのこと。 その日ナンシーには、日本から来たマコト君の誕生祝いのためと、遠い町のケーキ屋まで走…

みんなおなじで みなちがう

あるとき、公園のベンチに腰掛けていると、横に座った方がパンくずを撒きはじめた。みるみる数十羽のハトが舞い降り、のどを鳴らしてついばむ。身近に見るハトは、形や大きさはほとんど同じだがすべて羽根の色がちがって美しい。「完璧だな」とそのとき思っ…

朝日新聞「素粒子」とわたし

2008年から「朝日新聞」夕刊第1面の「素粒子」欄執筆者が5年ぶりに交替した。毎日愛読しているので、どんな風刺コラムになるか楽しみだ。 むかし国立国会図書館につとめたころ、上司に杉村武という専門調査員がいられた。朝日新聞の論説委員もされた方で、そ…