2011-01-01から1年間の記事一覧

基督教独立学園、小さいから大きい

さる5月26日(木)、山形県西南の小国町にある基督教独立学園の「創立63周年記念講演会」で講演をした(内容は藤尾のホームページの「聖書話」に「力は辺境から」の題で掲載、写真は講演当日の講堂、前列左は安積力也校長)。小国町は東京都の23区より広い町…

ながらえばまたこのごろや

「ながらえばまたこのごろやしのばれむ うしとみしよぞいまはこひしき」。小倉百人一首の84番、藤原清輔朝臣(ふじわら・きよすけ あそん)の歌だ。「朝臣」(あそん、あそみ)とは、皇族と血縁関係にある身分のこと。 和歌の意味は、「もし長生きしたら、つ…

米軍の日本無差別爆撃と東日本大災害

1945年の春から夏にかけ、米国は日本本土への無差別爆撃を繰り返した。3月10日の東京大空襲や、8月6日、9日の広島、長崎への原爆投下をふくめ、じつに230の都市を空襲し、軍艦、潜水艦から砲撃。50万人の市民が死んだ。太平洋がわは軒並み爆撃され、沖縄は根…

教会を大きくしようとするのはやめましょう

4月から5月にかけて、木々の枝葉や草花がのびます。しかしその成長は音がしません。近くで家を建てているらしく、かんかん音が聞こえます。「建設」はさわがしく、「成長」は静かです。イエスさまも「夜は寝て、朝起きると、種は芽を出して育ちます。どのよ…

つきない妻との会話

(童謡作家・金子みすず調で) 「わからずや」というと、「わからずや」という。/「がんこもの」というと、「超がんこもの」という。/「くそばば!」というと、「くそじじ!」という。/「たれパイ」というと、「でばら(出腹)」という。/「参ったな」という…

かゆいところに手がとどくことば「良くなりたいか」

歳をとると皮膚のあぶらがぬけるのか、からだがかゆい。腕がかゆいとき、左うでは右手でかく。右うでは左手でかく。気持ちいい。不思議にかいているすぐ隣りがかゆくなる。どんどんかゆさが移る。全身にひろがる。すねもかゆい、両手でかく。かきむしると気…

キリスト信仰の譲葉

わが家でいちばんの高木は「譲葉」(ゆずりは)だ。8㍍ほどもある。幹も太く胸高で50㌢。ふつう木々の落葉は秋だが、譲葉は4月のなかばに葉を散らし始める。それがまたみごとな枯葉色(写真)。10日ほどで高い梢から低い枝まで、ぜんぶ色づいた葉は散り終える…

イエスが起こした地震と津波

いろんなことがありました。大きないくさもありました。南の島や北の海。深いジャングル谷や野で、日本の兵隊死にました。アメリカ軍の爆撃で日本国じゅう焼け野原。たくさん市民が死にました。なんとその数300万。アジアの人はニッポンの、おこしたいくさに…

愚痴(ぐち)るのは罪

同じ愚痴話を長々と聞かされると、これも伝道者のつとめとおもいながら気は滅入る。話の始めから終わりまでからだの不調を嘆く方がいる。お聞きして、さぞつらいだろうとおもうが、慰めるすきもなく話しつづける。「愚痴」は「言っても仕方のないことをくど…

傾いた灯籠と奥丁子桜

さる3月11日の巨大地震で、東京に住むわが家の被害は、灯籠1基が傾いただけですんだ。しかし傾いたその重い石灯籠を支えているのが、塀と奥丁子桜だ。その奥丁子が満開の小花を咲かせながら必死に灯籠を支えていた。(写真) 石灯籠は、一番下に「地輪」とよ…

この春、いそがしい神さま

春は神さまもいそがしい。 冬眠しているクマさんや、ヘビやカエルの背中をそっとなぜて「もう春だよ、起きなさい」と声をかけられる。アリんこやミミズ君も神さまの声を聞く。土の中で眠っていた草や木の根っこにも、木々の枝の中で待っていた葉っぱの芽にも…

巨大地震と大津波 神の一撃の十字架と復活

大津波みちのくすべて春無残(正人) 2011年3月11日(金)午後2時46分、日本の気象庁観測史上最大のマグニチュード9.0の巨大地震が起った。日本の東北から関東まで、どん!と地殻を引き裂いたかとおもうと、やがて大津波、中津波、小津波が日本列島すべてを…

むかしはよかった、いまの若者は

「むかしはよかった、いまの若者は」と、繰りごとをいうのは老人のつね。 夏目漱石の最晩年の小説「こころ」にも、「わたし」という主人公が、帝国大学を出て帰郷すると、病身の父から就職活動のことを聞かれたあげく「むかしの親は、子に食わせてもらったの…

じっと待つ、もう待てない

2月27日は、あのノアさんが箱舟から出た日だ。旧約聖書の「創世記」8章14節にしるされている。ノアが600歳の2月17日に洪水がおこり、40日40夜、天の淵源が裂け豪雨が襲い箱舟は高く浮いた。150日して水はへり、7月17日に箱舟はアララト山にとまった。11月10…

頼むほうより、頼まれたほうが

「フランクリン自伝」に、「借金の返済期日は、金を借りた人より、金を貸した人のほうが注意深い」とあった。借金を頼んだ人は、金を手にすると案外返済期日までのんきだが、金を貸したほうは、返すかどうかずっと気にしている。 これは講演を頼んだ人と、頼…

政池仁先生の二刀流伝道

きのう2月13日(日)、東京・目黒区の今井館聖書講堂で「酒枝義旗先生と政池仁先生とわたし」と題し午後2時半から4時まで講演した。あの内村鑑三や、矢内原忠雄先生らが熱誠こめて聖書を講義された由緒ある講堂だ。聴衆もけっこうあって、横や後ろに補助椅子…

なよなよとした朝廷と、豪腕の武将

日本は12世紀すえから19世紀まで、幕府という武士の政権がうちつづいた。いまでいう軍事政権だ。700年も軍事政権がつづいた国は世界にめずらしい。しかしヤンマーなどの軍事政権とちがい、幕府は国王ではない。京都に金も力もないがカリスマ的存在として天皇…

聖書の生徒は元学長

1948(昭和23)年春、わたしが赤坂離宮に創設された国立国会図書館調査局に配属されたとき、ふたりの仲間がいた。石原義盛君と勝原文夫君だ。わたしを入れてこの3人はもつれるように仕事をし、勝原君とわたしは生涯の親友になった。石原君とは不思議なことに…

パウロ、奴隷、キリスト、イエスの

同窓会に出て、当時の教師が出席されると、むかしの生徒は先生に頭があがらない。もう社会での地位は先生より上になっていようと、教師と生徒という関係は固まっていて、瞬時にむかしの調子に帰るのだ。 職場の関係も同じだ。社長、部長、課長という関係が固…

小さいことを大きく喜ぶ

家内と近くの阿佐ヶ谷へ出かける。パン屋や、薬屋で買い物をすると、お釣りのコインは家内が受け取る。1円、5円、10円、50円、100円、ときに500円玉があると、にっこり笑う。この小さいものを、大きく喜ぶ態度はいい。 孫たちが、正月お年玉をもらう。彼らは…

お召し列車はまだ来ない

わたしは、この2011年1月6日、満86歳になった。その夜、孫から「誕生日おめでとう」の電話。「おまえはいくつ」「12歳」「おじいちゃんは、お前の7倍・プラス2歳だ」「うへ〜」。すごいじじい。 子どものころ虚弱で、医者から「この子は、はたち(20歳)まで…

「アベル『と』」「カイン『と』」

むかし沖縄県へ行ったとき、地図をひろげてながめていると、これまでとちがう感覚がうまれた。そうか、沖縄の人は、本州の日本人とはまったくちがう地政感覚で生きてきたのだとわかった。 沖縄から手のとどくところに台湾がある。その南のフィリピンは、はる…